「…っ…、」



――…もう泣かないと、決めたのに。

無理だよこれは。こんなにも温かくて嬉しいことに、わたしの涙腺が崩壊しないわけないじゃない。



「ふふっ、紗和ちゃん泣いちゃった」

「…ひな…、」

「サプライズの準備で早く来たのに、紗和ちゃんもう来てるんだもん。めちゃくちゃ焦ったんだからっ」

「白石さん、言っとくけどこの発案者はクラス全員だからな?ひなが美味しいとこ持ってったみたいになってるけど違うからな?」

「っちょっと晴人うるさいんですけど!」

「「「あははっ!!」」



高見くんとひなのやり取りに、クラス中が明るい笑いに包まれる。


…わたし、

なんて幸せ者…なんだろう。