胸にスッと入ってくる言葉たちは

わたしの渇ききった心を潤してくれるようだった。


…ひな。高見くん。碓氷くん。

クラスのみんな。先生。


――…伊織。



「先生、ありがとうございます。…本当にありがとうございますっ…」

「ふふっ、泣かないの。本当にいろんな人に愛されて想われて、白石さん幸せ者だと思うわよ」

「……本当ですね…」

「うん。いい笑顔」



横の窓から見える、柔らかな光が

わたしの心にも射し込むようで。


――…一度涙をぬぐうと、もうわたしが泣くことはなかった。