「え…、」
「知的で凛とした委員長らしい白石さんもいいと思うけど、俺はやっぱりそうやって楽しそうに笑ってる白石さんの方がいいと思う」
「……、」
「むしろそっちが本当の白石さんなんじゃね?って考えててさ」
…他の感情の追随を蹴散らすような、真っ直ぐな瞳。
本当にありのまま、思ったことを言っているのだと実感させられる。
――…本能、なのだろう。
彼は、本能で、わたしが隠してきた部分を残さず感じ取っているのだろう。
「ありがとう高見くん。でもね、どっちも本当のわたしだから。これでも誇りをもって委員長をやらせてもらってるの」
「それは分かってるけど、」
「わたしのことを考えて助けてくれて本当にありがとう。貴重な助言として受け取っておくわ」
ひとつ、悟ったことがある。
…彼の前で少しでも隙を見せたら
きっと、いや間違いなく
伊織との関係を勘付かれるのも、時間の問題だ。