「ひなのことなら、千尋が上手くやってると思うからさ。そんな心配しなくていいと思うぜ」
「うん。あとでもう一回、ちゃんと謝る」
心優しいひなのことだ。今もきっと気にしてくれているのだろう。
掃除が終わったら走って戻ろう。そして真っ先にひなに謝りに行くんだ。
「白石さんって委員長だけど、実は委員長っぽくない気がする」
「…。高見くんは本当によく分からないことばっかり言うね」
「ははっ、俺それよく言われるんだよなー。思ったこと何でも口にしすぎだとも言われる。千尋にはその口ふさいでやろうかって言われ続けてる」
「あははっ!碓氷くん面白いっ」
…なんだか、天真爛漫な息子を見守る母親のような気分。
ケラケラと笑った彼は本当につかめない人だと思いつつ、気付けば心から笑ってしまっていた。
「やっと笑った。もう大丈夫だな」