隠された日記

なんかその人を見ていると、異世界に誘わ

れる不思議な気分だった。いるけど、いな

いような感じ。

果たして、どこに行くのだろうか。

ゆゆは黙々とついていった。何回も角を曲

がり、坂を上がったり下ったり、いろんな

景色を見た、が、なぜか全然疲れなかっ

た。その人は、時折振り向いて目を合わ

せ、私がいるのを確認したらにっこり微笑

んだ。

だが、バス停に来て、初めて立ち止まっ

た。

「もうすぐバスが来るわ。」

「えっ?バスに乗るんですか?」

ゆゆはその人の顔を覗きこんだ。

「大丈夫。お金が無くても、私とあなたは

特別よ。」

「え、どういう事、、」

その時、バスの音が聞こえた。もうすっか

り夜で、バスの中の明かりが目立つ。