目の前がすごく暗いのはいつもの事だが、
その中にぼんやり女の人の影が見えるの
は、またとないことだ。
「ねえ、誰なの、、?」
話しかけてみる。すると、目の前の女の人
は、
「誰って、おかしいの。ずいぶん長く一緒
にいるのに。」
聞き覚えのある、優しくて少し大人っぽい
声。
「一緒に?そんなはずは、、私はここで、、
あ、、」
一瞬、目の前が明るくなり、女の人の顔が
半分見えて、すぐに消えた。
「お姉ちゃん?、、」
目が覚めると、時計を見て、自分がこの部
屋で2時間も寝ていた事に気付いた。
もう夕方。あの男の夕飯を作らなければ。
野菜炒めの作り方を頭で反復しながら、夢
の事がずっと、離れないでいた。ーーー

