隠された日記

「もう、ここから逃げ出したいという気持

ちは無いようだな。ふふふ、、」

何も答えなかった。モップの先だけを見

る。もはや自分が悲しいのか、嬉しいのか

さえも、ずっと、分からない。

生きている心地もしない。

「お前は覚えてるか?あいつの事、、」

はっと、一瞬顔が反応した。男を見た。

「な、誰の事ですか?」

「ほう。そりゃそうだな、、ははは。」

男は、顔を上に上げる。

(私が本当に覚えていないとでも思っている

のね、、ちゃんと覚えてるわ)

視界が潤んでくる。でも、「男」に見られ

たくない。

「モップのペーパーを取り替えて来ま

す。」

そう言って、男から離れた。