キミはこの時、男に対しての罪悪感をどうにか消し去ろうと考えていた。つまりは言い訳を考えていたのだ。「個人的なことをまだあったばかりの人に話すのもどうかと思った。警戒してた」とか、大方そんな言い訳を考えていたのだろう。キミは卑怯者だから必ず自己肯定に走る。


「私は悪くない」、「私は間違っていない」、「受け入れてくれないあいつが悪い」これがキミの心の中の口癖だったね。


だからあの時、自己肯定のための嘘を、まるで今まで言えずに悩んでいたとでも言いたげにしみじみ話して、身を滅ぼしたんだよ。


覚えがあるだろう? 「個人的なことだから」という言い訳を提げてついた嘘で、キミは今、どうなっているか。


出会ったばかりだから警戒するのではなく、出会ったばかりだからこそ、普段以上に相手のことを信用しなければならないのだ。