そう言う光里を助けながら波際にまで連れて行くけど本当に怖がってしまう……



溺れそうになる光里を抱きかかえた時、
距離を縮めてしまった俺、

ドキドキと高鳴る鼓動を隠せないまま。



プカプカと打ち返す波に呑まれながら、
苦しみに怯えている。


『大丈夫? ごめんな…』



砂浜に座って泣きはじめてしまった光里がいた。
 


光里は…遠くで楽しむ悠樹たちを見つめて、
何やら元気がない。



この時期、
光里自身が他のヤツを…
悠樹を…
好きだってこと知ってはいた。



『俺がお前を守りたいんだ。』



俺、
こんなことを言うヤツじゃなかったけど…

昔の自分は嫌いだったし、
光里を好きな気持ちだけは本物だから。