誠実との別れの時だった…



『何も謝ることないやん。素直な気持ちなら。
光里…、光里が幸せならそれでいい。
好きな女性の幸せを願う。
好きな女性の幸せを願えないのはツライ…』



わがままなのに、逆にそう言われてしまったのが気になってしまったよ。



『ありがとう』

『こちらこそありがとう…。
阿佐、待ってるだろ。
行けよ。』



どこまでも優しい誠実との別れ…

涙ぐみながら、
最後は誠実との抱擁。



誠実なら大丈夫…
幸せになって欲しい…




願いを込めて、
誠実の方を振り返る先



誠実の姿は……


誠実はもういなかった…



家に入ってしまったのが分かってしまった。