『この世界の片隅で』



もしタイムマシンがあったら過去をやり直せるなんて

陳腐な幻想を思い描いたとしても

目の前にあるのは受け入れられない現実で

この先何年もこの心を濡らして生きるのでしょうか?

その人の絶望を僕が拭い去って

幸福にも不幸にもさせていて

でも笑顔にさせた数は数え切れなくて

やっぱり二人とも幸せだったんだなって言えるんだ

表現するとしたら最愛の2文字で足りるのかな?

ただ側に居るだけで

隣に居るだけで満足していた

名前を呼ぶだけで愛おしくなったよ

この世界の片隅で独りでいたとしても

その事だけは色褪せない

数え切れない後悔と人生を押し潰す絶望は拭い去ることは出来ないけれど

頬を濡らして瞼を擦って

僕はまだ呼吸をしている

生きたくないけど生きたいなんて言葉を吐いているよ

でも死にたいなんて言わないんだ

そんなものは腐るほど言ってきたから

だから最愛の家族のいないこの世界でも

好きや愛を叫んで今ある幸せを噛み締めていこうと思うんだ

この心が続く限りに