詩集『心ゆくままに』



       『ゆめまぼろし』



夏の夜にゆらゆら揺れる

心も身体も命もまるで蜃気楼のように歪んでいく

暗闇に紛れてしまえば虚無に溶けた

終焉を待つだけの日常に何かを求めるのは残酷

命を削る迷路を彷徨っている

立ち止まっても歩き出しても激痛の渦に飲まれる

心の何処かで死にたくない日を願うのか

また独りで生きていても仕方ないと喚くのか

まるで何も解らない

自分が今生きているのか死んでいるのかさえもわからない

無限の絶望と共にいる

未来への頼り方を見失っている

此処は夢の中であの日の出来事は幻で目が覚めたら君が居ればそれでいいな

そんな妄想してる

もしも僕が逝ってしまったら愛する人には世界で一番泣いて欲しいな

骨は拾ってくれると言って貰えたしこれほど幸せな事はないじゃないか

安心していける

ただ約束を破るこんな悪い男に捕まってしまった事は謝るよ

ごめんなさい

魂は共に