詩集『心ゆくままに』



       『お花ちゃん』



夏の空は曇り

花瓶の向日葵は花びらを枯らして生きている

二人きりでこの空間に居座っている似たもの同士

植物に人みたいにお花ちゃんと呼んで接する僕は不器用なのかもしれないね

人との別れは寂しいし悲しいけれど

それは僕と一緒に生きてくれたお花ちゃんだって例外じゃないよ

確かに此処にいてその人の為に僕の為に咲いていてくれているのだから

そんな花を他人だと誰が呼べるのかい?

出来るだけ永く生きていて欲しいじゃないか

花は散るからこそ美しいと誰が云ったとしても

僕は花は咲いているから美しいと思うんだよ

そこで咲いていてくれたからこそ美しいと想うんだよ

だから心に残るんだ 忘れられないんだ

そこにお花ちゃんがいてくれる優しさは僕にとって大切

でもそんな事を考えているから瞳を濡らしている

他人からは滑稽に映るんだろうな

別にそれでもいいな

だってそれが僕なのだから

そこに大切なものがあって大切だと言いたいのだから

だけどお別れは寂しくて悲しくて辛くてちょっとだけ堪えられないんだよ

少しでも永く生きて欲しいと想っているんだ