…え?
…わ、渡すな……って…



え?



一瞬聞き間違いだろうか、と思った。
けど、詩優がまっすぐ見つめてくるから……強く手を握ってくるから……。




聞き間違いではないんだと思った。











「…チョコあげようとした男が好きなの?それとも、気になってんの?」



どっち?、と言って私の手を握ったまま一歩前に進んで距離を縮めた。




…好き?
…気になってる?




チョコを渡そうとした相手のことを?




ドキっ!と胸が高鳴る。
私は、雷龍のみんなのことが…詩優のことが




…大好き。
でもその好きは、きっと普通の好きよりも…




「……と、特別だと思ってる」




私がそう口にした瞬間、詩優は握った手を離した。