世界No.1の総長と一輪の花 1.5





そのチョコタルトは、雷龍のみんなに…詩優に渡したくてつくったの。

詩優にバレないように材料を買って、バレないようにつくるのは大変だったけど……。初めてつくったチョコタルトはすごくよくできたんだ。




味見もしたから……
ちゃんと美味しいよ。




みんなに渡すか迷ったけど……
渡したかった。




ちゃんとみんなに、

詩優に

お礼がしたかったの。いつもお世話になってるから。













「……返して……返してよ…」



ただ悔しくて、ぽたりと涙がこぼれ落ちた。




「妃芽乃ちゃん、泣かないでよ」




金髪男が私へと手を伸ばす。
怖くて、体が動かなくなって……私はぎゅっと目を瞑った。

その時────