世界No.1の総長と一輪の花 1.5





「……なんで、それ…持ってるの…」




机の横のフックにかけておいたもの。
なんでこの人たちか持っているのだろう。




「俺に渡すように、妃芽乃ちゃんが咲(さき)に頼んだんだろ?」



不思議そうな表情をする金髪男。




「…そんなこと頼んでないっ……」




だいたい咲って誰なんだろう…。
知っていたとしても私はそんなことを頼んでなんかいない。




「照れなくていいよ、妃芽乃ちゃん。俺たちが思いあってるってことはよくわかったから!今日から恋人同士だね」




金髪男が手に持ったチョコタルトの最後の一口を口へと運んだ。




「ヒューヒュー」


「めでたいね~!!」





周りからは面白がるような声と、下品な笑い声が聞こえてくる。




違う、何でこんなことするの、とかそれを言ってももう意味が無い。
この男たちに言っても通じないだろう。