世界No.1の総長と一輪の花 1.5





「あの!!そのチョコ……」



思わず声が出た。




5人の中の1人は、体育の授業が始まる前に私に話しかけてきた金髪の男。首元にはドクロのネックレスがキラリと光っている。



その金髪男が持っている紙袋は、私が朝持ってきたピンクの花柄と同じもので、男が片手でぐしゃっと丸めたの水玉の小袋。
男たちが手に持って食べ歩きしているのはハート型のチョコタルト。




それから、




“詩優へ”
とかいて貼っておいた付箋が小袋に貼ってあるのが見えた…。





これは
紛れもなく私がつくったものだ。





…なんで?……なんでこの人たちが…?




「妃芽乃ちゃんも俺のことを思っていたなんて……すごく嬉しいよ!俺のためのチョコ、たくさんありがとね!」





金髪男がそう言って、私の前でチョコタルトを頬張った。
周りの男たちも笑いながらチョコをどんどん口へと運ぶ。





「……違う…」




小さく呟いた。

そのチョコを渡してなんてない。