その言葉を発した後、少しの沈黙が走る。


その間、王様は何かを考えていらっしゃる様であった。


もし、返ってきた答えが『人質として大事だから捜した』、『相手を脅す手札を無くすのが惜しいから』などであれば、まだ納得は出来る。


それは自答で導いた自身の答えと一緒だから。


でも、どこかそれとは違うのではないか…と期待している私もいて。


だからこそ、自答だけでは済ませれなかった。


「……すまなかった」


「………え?」


予想外の返答に、思わず瞬きを繰り返す。


(今……謝罪の言葉が返ってきた様な……。気のせいだよね?)


もう一度見つめると、王様の美しい碧い瞳と合った。


「……今まで、その様な事を思って過ごしていたのか……」


その声は呟く様に小さく、繊細で。


前にいる王様は、沈痛な面持ちをしていた。