身分違いの恋がないはずがない


 
 教室に戻ってからは私は質問攻めだった。
 

「有紀ちゃん、どういうこと?」


 「いつの間にそんな仲になったの!?」
 
「柊木!すげーじゃん!」
 私はそれで気づいたんだ。

今までみんなが壁を作っていたんじゃない。私が自分を卑下していただけなんだ。

これからはひとりじゃない楽しい毎日が待っている。
 
「有紀、帰るぞ!」
 
「はい!」
 
『今日は寺山先輩に譲るけど、有紀ちゃん。明日は私と帰ってね?』そんな声がたくさん聞こえた。
 「よかったじゃん。」
 「はい!これからが楽しみです。」
 
 ねえ、みんな。今のご時世身分違いの恋なんてないと思ってる?

そう、その通り、身分違いの恋なんてない。

ふとしたきっかけで結ばれることだってあるんだから。
 

昨日までは、サッカー部部長で生徒会長の先輩と空気と同等の後輩。でも今日からは…
 ──恋人、だ。──