身分違いの恋がないはずがない


 私はゴミ当番で遠い遠い部活棟まで行かされていた。

嫌で仕方なかったけど、なんと花壇でお花に水をあげる先輩が見えたんだ。

 「…ふふっ。ラッキー。」

 だんだん近くなってドキドキしてきた頃…
 
ホースを持って座ってた先輩が急に立った。しかも、ホースから水を出して。
 
当然それは私にかかるわけで、上半身がびちょ濡れ。
 
「…!ぷはっ!」顔にまでかけられて髪もびちょびちょ。
 
「え。えええぇぇ!?」

 先輩はマヌケなほど驚いた顔でこっちを見る。
 
「ごめん!びちょびちょじゃん!寒くない?」
 
「いや、夏だから大丈夫ですけど…」
 
「いや!別の意味で大丈夫じゃない!行こう!」
 私の手を引きながら歩き出す先輩。
 
え、私先輩と話してしかも手繋いでる!?
 
嬉しすぎる状況だけど、さっきから先輩がこっちを見てくれない。欲張りなのはわかってるけど寂しい。
 先輩は部活棟まで私を連れていった。