この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。


日に日にひまの元気がなくなっていく。表面上は笑っているのに、心では泣いている。たとえるならそんな感じだ。

「晴くん、ちょっといいかしら?」

休日の朝、おそらく病室の前で俺がくるのを待っていたんだろう。ひまの母親に話しかけられてドキリとした。

「今はまだ眠ってるから、今のうちに少し話したいの」

悲しみに打ちひしがれるその瞳。目がくぼんで、クマがひどい。どれだけ涙を流したんだろう。想像するだけで胸が締めつけられた。そして予想がつく。これからなにを言われるか、が。

面会スペースの椅子に横並びで座る。どうにも落ち着かなくて、そわそわした。

「ひまちゃんのことなんだけど……」

「はい」

それしかないだろう。この言いかたからすると、よくないことだと予想できる。聞きたくない、逃げ出したい。

「抗がん剤治療をやめることになったの……」

「えっ……!」

抗がん剤治療を、やめる……?

は?

なんで?

「あの子の白血病はね、予後不良の型で……強力で一番有効だと証明された新薬を投与してたんだけど……全然……効果がないのよ」

「だから、やめるんですか? どうして? だったら、他の抗がん剤を試せば治るかも」

手のひらが痛い。気づくと自分の爪が血が出るほど食い込んでいた。