治らないはずがない。そう信じているのに、ひまの弱々しい姿を見ていたら……このまま消えるんじゃないかって不安がよぎる。

次の日、歩と一緒に明倫で海堂を待ち伏せした。部活後では遅くなってしまうかもしれないので、たまたま通りかかった爽やか男子、福島に頼んで呼び出してもらった。

「どうしたの、日向くん。その頭……」

海堂はニット帽をかぶる俺の頭に視線を向ける。衝撃的だったらしく、口をあんぐり開けている。

「ひまがおまえたちに会いたいって」

「え!?」

驚いたのは海堂ともうひとりの美奈ってヤツだけではなく、福島もだった。

「どういうこと? ひまりの居場所を知ってるの?」

「ああ……」

「ひまちゃん、どうしてるの?」

「それは着いてきたらわかる」

海堂と美奈は顔を見合わせた。どうやら緊急性が高いことだと雰囲気で察したらしい。素直に従い、一緒に駅へ。そして電車に乗った。

「なんでおまえまで着いてくるんだよ」

「俺だって桃咲さんのことが心配なんだ」

ちっ、くそ。福島のヤツ、気に入らない。

「勝手にしろ」

なぜだか不思議なメンツだった。ひまに出会わなきゃ、関わることもなかっただろう。