「びょう、いん……?」

一瞬ポカンとした。

「二週間前くらいだったかな。院内のコンビニで見たから、ただの風邪だと思ってたんだけど……どうやらちがうみたいだね。多分、入院してるんだよ。休学届を出すって、相当だもん。なんか心当たりないの? ひまりちゃんの病気について」

「心、当たり?」

そう言われてピンときた。

「あいつ、五年生のときに白血病だったって……もうすぐ四年経つから、完治だって……そう、言ってた」

まさか、ウソだろ、おい。

俺の考えてる嫌な予感が当たらなければいい。

冬なのに全身から汗が吹き出す感覚がした。寒くもないのにガタガタと身体が震える。

「その病院って、どこ?」

「行ってどうするの?」

「決めてない。でも、じっとしてらんねー!」

ふつふつと胸の奥から湧き上がる感情。信じたくない、そんなこと。ひまが病気だなんて。

ひとりで苦しんでたなんて──。

自分の不甲斐なさに、苛立ちが止まらなかった。