励ましてくれる佐々野さんに、なぜか少し胸が痛んだ。

もしかして、私は今最低なことをしてる……?

いや、まだ佐々野さんが晴くんを好きだと決まったわけじゃない。

でも、もしそうだとしたら……私には言えないよね。

「あ、美優って呼んでね。私もひまりちゃんって呼ぶし。かわいい名前だよね!」

あからさまにシュンとした私を見て佐々野さんが明るく言った。

「うん、わかった。美優って呼ぶね」

「わーい。あ、明倫に私の友達たくさんいるよ」

罪悪感でいっぱいの私の胸のうちを察しているのか、美優は明るく盛り上げてくれた。

美優と話しているといつしか雨が上がっていた。雲の隙間から淡いオレンジ色の夕焼け空が覗いている。

「ひまりちゃん、いつもありがとね。またきてよ。晴臣も喜ぶからさ」

帰り際、叔父さんがニコニコしながら店先まで見送ってくれた。

「あいつがなぜバイトを始めたか知ってる?」

「え?」

「『バイトなんて面倒くさい』って言ってたあいつが、ひまりちゃんの誕生日プレゼントを買うためにバイトしたいって言い出したときは驚いたよ」

「誕生日、プレゼント……?」

私の?