この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。


「わー、寝坊したぁ……!」

どうしよう、やばい、間に合わない。急いで飛び起き着替えを済ませる。ドタバタ慌ただしく部屋を出ると、何事かと母親が顔を出した。

「出かけるの?」

「うん! 間に合わないから、もう行くね」

「何時頃帰ってくる?」

「んー、わかんない!」

母親はあれから毎日のように帰宅時間を聞いてくる。私を信用していないのか、誰とどこに行くのかとか、いろいろとしつこい。モヤモヤ、イライラする。

「わかんないって、ちょっとひまちゃん」

「行ってきまーす!」

言葉を遮るようにかぶせて家を出た。

嫌いじゃないのに深く関わりたくない。

ある日突然なんの前触れもなく紹介された新しい母親と弟。お父さんは私が反対するなんて微塵も思っていなかったようで、私もお父さんの手前気持ちを押し殺して受け入れるしかなかった。

新しい家族、笑顔の絶えない家庭、仲のいい姉弟、明るい食卓。それらすべては、お父さんが望んだものだった。私が白血病になってからというもの、いつも疲れ切った顔をしてたから。

そんな顔をさせているのは私だから、どうしても受け入れなきゃいけなかった。もう二度とお父さんを困らせちゃいけない。