午後から自転車に乗って図書館へ向かった。駅前の図書館は勉強できるスペースが広々としていて使い勝手がいい。クーラーも効いているし、すごく快適なのだ。
だからときどき図書館にきて勉強すると宿題が進む。
一時間半ほど勉強してから歩いてすぐのカフェへ移動する。一歩外に出ただけで、容赦なく太陽の熱が襲ってきた。
あ、暑い……。
溶けてしまいそうなほどで、冷たい物で早く喉を潤したい。フラフラになりながらカフェの前にたどり着くと、何人かの男子の集団に出くわした。
「あれ? ひまりちゃん?」
「え? あ! 天地くん!」
「うわ、天使ちゃんだ!」
「マジで? この子が?」
背の高い男子たちに囲まれて思わず一歩後ずさる。よく見るとみんな派手で髪の毛を染めたりピアスをしている。
「ほらほら、おまえらひまりちゃんが怖がってるだろ」
「歩の知り合い?」
「つーか、めちゃくちゃかわいいじゃん」
「俺のっていうか、晴の彼女だよ」
「えっ!?」
「は?」
北央の人たちなのかな。晴くんを知ってるっぽいから、友達?
「天使ちゃんが晴の彼女って、どういうことだよ?」
「あいつ、抜けがけかよ!」