君がいればそれだけで。

どれだけ長く生きていようと女である事は変わらない。どれだけ時間が過ぎても、どれだけ老いても。彼女が彼女である事には代わりないんだ。

「これ、受け取って?」

「これは・・・」

「一枚も持っていなかったでしょう?父のお下がりだけど、使って?」

王族が使っていた、礼服に合わせる上着だった。鎧が必要なくなった事もあり、そこまで着込んでいなかったボロい服でも似合うくらい使い勝手の良い物だった。でも、フィン様の父が使っていた物なら少なくとも数千年は立っているはず。こんなに綺麗な状態を保てているなんて不自然だ。新しく見繕った物だと告げ、俺が遠慮するとでも思ったのか。