君がいればそれだけで。

ただ、この話が本当なら王女がここにいる人々の気遣いに気付かなかったとは考えにくいんだ。甘えていると考えれば言わなかった理由も追求されなかった理由も納得が行く。だって必要な事はちゃんと言ってくれるお方だし、誤解される事が苦手なのに自ら嘘を伝えるのも不自然だ。

「本当にそうであれば、皆さんがちゃんと信頼されているという事になります。だって、あの王女様が皆さんに甘えていらっしゃるのですから。・・・追求されますか?きっと王女様なら話してくださると思いますよ」

「いいえ、詳しい事はよく分かりませんで。話してくださるまで待ちますよ」

「俺らも今のままで十分楽しいからなー。王女様の判断に任せるわ」