君がいればそれだけで。

だからどこへ行ったと探し回られないように出掛ける時は声をかけ、担当の者が不在の時は他の者に任せる事なく自分でしていた。王女が目の前にいる時に武器を取らせなかったのも、自分の所に来た自分の問題だったから。

「素直に甘える事が出来ればもっと楽に生きられたのだろうに。だから安心しているんだよ。フィリア様は幼い頃の王女様なのでしょう?一時期でも素直に甘えられていたのであればまた、甘えられる日が来るんじゃないかと思ってねぇ」

「いつからその事を・・・?」

「最初からだ。王女様は天涯孤独の身。だから俺たちを家族のように愛してくれていたんだ」