動けなかったはずなのに、動き回っている王女への疑問に気付かないほど戦いから目が離せなかった。世界を壊してしまうくらいの力を相手が放ち、それを上回る力で消滅させる王女。これが王女の本当の姿なのか。

「お前らはあの蕾の根に補食され、取り込まれそうになっていたんだ」

「あの蕾は一体・・・?」

「白髪の男の源だ。あそこに命を取り込み、吸収し、自分の力に変えている」

パルさんの説明に納得している私がいた。王女ほど強い力の持つ生き物など、そう簡単に出会えるわけがない。人の力を借りて強くなっていたという事か。だとすると、王女は何人分の強さを相手に余裕の笑みを浮かべているんだ。