君がいればそれだけで。

王女は電話を取り、バレないような単語を使ってベクウはまだ生きているが自分たちの身が危ない事を伝えた。危ないから僕たちだけでも一時帰国出来ないかと。でも、国王がそんな事を許す訳もない。騒動が落ち着くまで王女も一緒に避難してくるか、僕たちをこのままそばに置くかどちらかしか認めないと迫った。

「これ以上、彼らを利用するのはしたくないのです。皆を母国へお返しください」

「それは出来かねるご相談ですな。ただでさえ、死刑間近の国民を引き取って頂いているのに、今以上にお怪我をなされては心が痛みます。それに、そのようなお体でどう立ち向かうおつもりですか」

「私のそばでずっと仕えてきてくれた兵士がいます。彼にこの国を預け、私は身を引こうと考えているのです。時が過ぎればその時代にあった収め方が生まれます。私の役目はもう、終えたのです」