「あの子供が売っていた花は毒草の一種で、人々が苦しめばと思って売っていたんだ。転んだ老人は被害者で、手に持っている毒草を王女が燃やした事に驚いて転んだんだ」

「じゃあ子供が泣いていたのは叱っただけなのか?」

「いや、あの子供は母親が重病でな。国王に言って医者に見に来るよう伝えるからと全て買い取ったんだ。その金で見てもらえと多めに渡したら泣きながら謝罪されたんだよ」

そんな物語があったのか。毒草の花粉で体調を崩したからご老人は医者にかかっていただけだったのか。数日間、城の医者がいなかったのも王女が手配するよう掛け合ってくれたからだったんだな。