独占したい。



 カップケーキかぁ……。

 まさくん用に1つ、チョコチップ入れよう。ふふっ。

 お菓子作りを好きになったのは、まさくんの影響。

 まさくんは甘いものが好きで、私が作ったお菓子をいつも「美味い美味い」と喜んで食べてくれた。

 それが嬉しくて、いつの間にか趣味になっていたんだ。



「それじゃあ早速、各班に分かれて調理に取り掛かってくださーい」



 先生の言葉に、一斉に動き出した部員たち。

 わっ……!

 私の周りに男の子たちが集まってきて、思わず身を縮こめた。



「は、花ちゃん、よかったら僕と……」

「いや、俺と同じ班に……!」



 家庭科部は1番楽という理由から男性部員が多いらしい。私たちの学年は特に、半分が男の子。