独占したい。




「くそ、永丘のせいで花ちゃんに近づけないし......」

「さすが姫の番犬......」

「でもあのふたりってただの幼なじみなんだろ?」



 うしろのほうから聞こえたそんな会話に、びくりと反応し てしまった。


 ただの、幼なじみ......。

 本当に、その通りだ......。

 寂しくなって、ぎゅっと下唇を噛む。


 最近、よく考える。

 まさくんはいったい、どう思ってるんだろうって。

 隣に住んでいるから、幼なじみだからという理由だけで、 ずっと私を守ってきてくれたまさくん。

 でも......きっと、迷惑だと思う。

 恋人でもない人のお守りなんて......もしかしたら、いい かげん解放してくれって思ってるかも......。



 まさくんは優しいからそんなことを思う人じゃないって わかってるけど......

 でも、私もこのままじゃダメだと思い始めていた。