独占したい。




 そんな私を見ながら、まさくんが「しまった」とでも言うかのような表情をした。



「いや、俺こそごめん。……ほんとに怒ってないから、謝らなくていい」



 ガシガシと髪をかくまさくんの横顔からは怒りは消えていて、怒っていないというのは本心らしい。

 それに、ほっと胸を撫でおろす。

 さっきまで怒ってた理由はわからないままだけど……。



「まさくんが謝る必要ないよっ。いつも私といてくれてありがとう」



 いつものまさくんに戻ってくれたことが嬉しくて、笑顔が溢れた。

 私を見つめているまさくんの顔が、少しだけ赤くなったように見える。

 ん?気のせい……?

 夕日が赤いから、かな?