私も、同じように手を振り返す。



「何見てんの?」



 隣を歩くまさくんの声に、視線を戻す。



「仲良くなったクラスの男の子がいたから……」

「……仲良くなった?」



 いったい何が気に障ったのか、ぴくりとその言葉に反応したまさくん。

 な、何か変なこと言った……?

 不思議に思いながら、こくりと頷いて返す。

 まさくんは、そんな私に眉を潜めた。



「……へー、気をつけろよ。そいつがどんなやつかもわからないから」



 不機嫌な表情と興味がなさそうなその声色に、なんだか怒られているような気分になる。

 気をつけろって、心配してくれるのは嬉しいけど……。