男性恐怖症克服を宣言して、1週間が経った。
私の克服計画は順調で、今ではクラスの男の子とは普通に会話を交わせるまでに。
けれど何故か、私が克服に近づけば近づくほど、まさくんの機嫌が悪化している気がした。
いつも通り部活が終わり、まさくんが調理実習室まで迎えにきてくれる。
「あっ……」
教室を出て一緒に帰ろうとした時、運動場のほうに、同じクラスの男の子を見つけた。
向こうも私に気づいたのか、こちらを見てハッとした表情になる。
ユニフォーム着てる……バスケ部なのかな?
その男の子は、顔に笑顔を浮かべて手を振ってくれた。