原因はまったくわからないし、どうして私......?と思うけど、大勢の男の子に囲まれることもしばしば......。

 小学生の頃の出来事がトラウマで、男性恐怖症になった私にとっては苦痛でしかなく、萎縮してしまう。

 男の人は、お父さんとまさくん以外、全員怖い......。



「おい、見てんじゃねーよ」



 まさくんが、こちらを見ていた男の子を睨みつけながらそう言った。



「ひっ」



 男の子たちは、怯えたように声を出し、顔を青くしていそいそと走っていく。



「大丈夫か、花」



 優しい声でそう言って顔を覗き込んでくるまさくんに、笑顔を返した。



「う、うんっ。ありがとう」



 まさくんは、優しいなぁ......。

 いつもこうして、守ってくれる。