「クラスの男の子たち、優しい人ばっかりで。話してみるとね、全然怖くなかった」



 笑顔でそう伝えると、まさくんは何故か、眉間にしわを寄せた。



「……よかったな」



 ……あ、あれ?

 不機嫌さが増したまさくんに、わけがわからなくなる。



「まさくん?」



 どうしてそんなに……機嫌がよくないの?



「何?」

「あ……ううん、何も……」



 冷たいまさくんの声に、びくりと驚いて、それ以上何も聞けなかった。

 もしかしたら、何か嫌なことでもあったのかも……。

 あ、それかもしかして、部活がなくなって不機嫌になってるとか……?

 まさくん、サッカー大好きだもんなぁ……。

 そんなことを思いながら、気まずい空気のまま、帰り道を歩いた。