『ほら。もう取られるなよ』
『......あ、ありがとうっ......』
『泣くなよ。あいつらいっつもあんなことしてくるの?』
『う、うん......みんな、怖くって......』
『そっか。じゃあこれからは、俺がお前のこと守ってやるよ。隣同士だしな』
まさくんはあの日の約束を、高校1年生になった今も守ってくれている。
「花ちゃんだ......!」
「今日もかっわいー!」
学校に近づくにつれ、生徒の数が多くなっていく。
男の子からの視線から逃げるように、私はまさくんの背中に隠れた。
うう......やだなぁ......こ、怖い......。
「姫乃花って名前、ぴったりだよなぁ」
「名は体を表すってこのことだわ」
中学に入ったくらいから、男の子からよく告白というものをされるようになった。