隣の家に住む永丘匡哉(ながおか まさや)ことまさくん。

 私はまさくんに、もうずっと片想いしている。



 まさくんに出会ったのは、小学2年生の頃。

 その頃私は、クラスの男の子たちから毎日意地悪なことをされていて、いつも泣かされていた。



『泣き虫花はな子〜』

『や、やめてっ!私の帽返してっ......!』

『ほらほら、取り返してみろよ~』



 この頃から私は、男の子が怖くて、なによりも苦手な存在になっていた。

 学校に行くことさえも、嫌になっていた時。



『おい、やめろよ』



  ――私を助けてくれたのが、隣に引っ越してきたばかりのまさくんだった。



『い、いててっ......!離せよ!!』

『だったらその帽子離せよ』

『わ、わかったから......!』




 その時の私には、まさくんがヒーローに見えたんだ。



 きっと、一目惚れだった。