1日だけ、キミの彼女。

加賀見くんはクールで、そんなに女子と積極的に絡むタイプではないし、私もふだん男の子とはめったに話さないから。


中学の頃から男の子とほとんど絡むことなく過ごしてきたので、いまだに話をする時は緊張してしまう。


そんな私に彼氏なんてできるわけがなくて、いまだに恋愛経験はゼロだし、たった一日彼氏のフリを頼むことですら、すごくハードルが高く感じてしまう。

ましてや、あのモテモテの加賀見くんにそんなことをお願いするなんて、できるわけがない。


「む、む、無理だよっ! 私、ほとんど話したことないもん」


「えーっ。でも、隣の席だから話すチャンスはあるでしょ? 私はどうせ頼むならイケメンのほうがいいと思ったんだけどね」


なんて七海ちゃんは言うけれど、私は逆にイケメンに頼むほうが難しいと思うんだけどな。加賀見くんはまず無理だよ。


でも、だからといって、他に頼めそうな人がいるわけでもない。どうしたらいいんだろう。


やっぱり私、当日は一人で参加するしかないかな。


そんなことをあれこれ考えていたら、あっという間に予鈴のチャイムが鳴ってしまって。私は慌てて自分の席に戻った。