申し遅れました。私、白石結奈(しらいしゆな)はどこにでもいる普通の高校一年生。


今の高校に入学してもうすぐ二カ月になるけれど、最近学校生活にもだいぶ慣れてきたところで、毎日楽しく通っている。


人見知りな性格ゆえ、最初は友達ができるか不安だったけど、ありがたいことにクラスメイトに恵まれ、さっそく仲のいい友達もできた。


彼女の名前は古田七海(ふるたななみ)ちゃん。


肩までの内巻きボブが良く似合う、さっぱりした性格の女の子。


私は昨日の杏ちゃんからのお誘いの件を、さっそく七海ちゃんに相談してみることにした。


「あのね、実は昨日……」


「えぇ～っ！」


私がそのいきさつを話すと、驚いた顔をする彼女。


「その友達、なかなか強引だね。でも結奈、そこで正直に『彼氏いない』って言わなかったの？」


「い、言おうと思ったんだけど、言うタイミングを逃したというか……」


「はは、結奈らしいね」


「それに、みんな彼氏を連れてくるのに、自分だけ一人で参加するのって気まずいし、みんなにも気を使わせちゃいそうで。それならいっそ私がいないほうがいいんじゃないかとも思ったんだけど、久しぶりだからみんなに会いたいし……」


なんて、あれこれ考えてばかりで、どうしたらいいのかわからなくて。


するとそこで、七海ちゃんが思いついたように言った。


「……なるほど。じゃあもう、解決方法はただ一つだね。結奈も彼氏を連れて行けばいいんだよ」


「えぇっ!?」