1日だけ、キミの彼女。

その後も加賀見くんは西田先生の似顔絵に色々書き加えて、そのたびに私に見せてくれたので、私はついクスクス笑ってしまい、全然授業に集中できなかった。


だけど、加賀見くんとこんなふうに普通に会話したり笑い合ったりできるなんて思わなかったので、嬉しくて。


いつもは退屈に感じる古文の授業が、すごく楽しく感じられた。


途中、ふと先ほど七海ちゃんに言われた言葉が頭に浮かぶ。


『たとえば隣の席の加賀見くんとか~』


どうしよう。こうなったらもう、加賀見くんに彼氏のフリをお願いしてみる……?


いやでも、無理だよね。普通に考えて。


いくら彼が思ってた以上に話しやすくていい人だったからって。そんなお願い、引き受けてくれるわけがないよ。



一瞬迷ったけれど、やっぱりそんなことを言いだす勇気はなくて、私はいったんその考えを頭の中にしまうことにした。