恋はオーロラの 下で

それから半年が経った。

二人で語り合った時間は他の何にも代えられないものになった。

また、二人で歩く山が増えるにつれて

お互いをしっかりと見つめることもできた。

まだまだ遠慮がちな部分もあり

踏み込んではいけないそれぞれの守りのようなものがあっても

それはそれでいいのではないかと

相手を尊重できる姿勢が問われたことで

恋人としての甘い関係よりも

もっと人間としての絆とかつながりみたいなものを感じられる関係に

彼も私も今はそれでいいとした。

この先がどうなるのかは誰にもわからないことであるし

こうしようと決めてしまうものでもなく

好きだから好きでなくなったからという

薄氷を踏むような求め合いだけはしないと二人で約束をした。

長期休暇中は可能な限り海外へ連れ立った。

彼とでなければ行かなかったであろう未知の国へ。

トレッキングを楽しむことに国境はなかった。

現地で仲良くなった友達からは

時差に関係なく音信が継続した。

異国からの様々な画像に感嘆し

また会える日を楽しみにできた。