──眩しい太陽、澄んだ青空。

カーテンを開けた瞬間飛び込んできた強い日差しに、思わず目を細める。




──清々しい朝、本来ならば気持ち良く起きて、ゆっくり準備をして、余裕を持って学校に行くはず...なのに。


「もう.....何で私、スマホリビングに置いて来ちゃったんだろう。てゆーかお母さんも、何で起こしてくれなかったの.....!」


どうやら私は昨日、スマホを部屋に持ってくるのを忘れてしまったらしい。


朝起きて辺りを見渡しても、もうとっくの昔にアラームが鳴っているはずのスマートフォンは、どこにも無かった。

ついでにいうと、いつもは起こしてくれるはずのお母さんまで起こしに来てくれない始末。


部屋のデジタル時計には7時48分と表示されていて、どうやったってもう遅刻な気がする。本当にヤバい。

半泣きになりながら、壁に掛けてある夏の制服をハンガーごと掴んで、隅っこで静かに待っているスクールバッグを手に取って、私は部屋を飛び出した。