しかし私は、その姿に違和感を感じた。 母の両手はお腹の上でまるで何かを 祈るかのように固く握られていた。 幼い頃、親戚の故人のお葬式に 行った時のことだ。 故人の手がお腹の上で握られ 固く紐で縛られた姿を 目にしたことがある。 その時から私は、両手をお腹の上で 握り眠ると神様に天国へ連れて行かれて 二度と眠りから覚めないのではないか。 そう思い込んでいた。 ただの恐怖心から芽生えた作り話に 過ぎないが、今でも無意識に その体勢を避けてしまう。