23時41分6秒


でも、もう戻れない。
もうすぐこの子は産まれてくる。

私はこの子を愛することができる?

私から離れることを許せる?

遠くで幸せになることを、
心から願うことができる?

私にはできない。

ああ、また夜が来た。
今夜も夢の中で、あの男が私を
殺しにやって来る。 

私を刺しながら、俺は万咲都だと
何度も叫ぶ。

あの声が、耳にこびりついて
ずっと離れない。

何度耳を擦っても、洗って拭いても、
耳を塞いでも纏わりついてくる。

私のお腹の中にも、あの男の一部がいる。

気持ち悪い。

あの男といなくなってしまえばいいのに。