23時41分6秒


目の奥がじんと熱くなり、
高岡さんの顔がぼやけて見える。


溜まった涙が落ちてしまわないように、
浅く頷いた。



「また、来るからね」



高岡さんは、アクリル板に軽く手をつき、
顔を近づけ言った。


息で板が白く曇る。


そして、曇った板越しに
ぎこちなく微笑んだ。



そして、名残惜しそうに
アクリル板からそっと手を離すと、
刑務官に一礼し、部屋から出た。