ふと気がつくと自宅がある街へと 歩みを進めていた。 墓地を後にしてから意識を失った 訳ではない。 きっと墓地からここまで無意識に 何も考えず歩いて来たからだ。 母が亡くなってから記憶が飛ぶことが 多くなったような気がする。 でも私は特に気にしてはいない。 母のいないこの世界で 愛しい母以外のものを目に焼きつけ 記憶する必要がないと思っているから。